石黒正数（いしぐろまさかず）先生の漫画作品、『天国大魔境』は2023年4月1日よりテレビアニメの放送が決定しています。
文明崩壊後の日本を生きる少年少女達にまつわる謎を描くSF漫画として物語が描かれている本作ですが、漫画を読んでみて既視感があると思ったのは私だけでないはずです。
では、『天国大魔境』に似た漫画にはどのような作品があるのでしょうか？
この記事では、『天国大魔境』に似た漫画はとはどの漫画作品なのか、約束のネバーランドのパクリなのかそのようにいわれている理由についても解説してきます！
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天国大魔境に似た漫画はある？
まずは、『天国大魔境』のあらすじをもとに似た漫画と思われる作品を一覧でまとめていきます！
天国大魔境のあらすじ
作者：石黒正数（いしぐろまさかず）
ジャンル：SF
掲載誌：月刊アフタヌーン
外界から隔絶された施設で暮らしている子どもたちがいました。
その施設で暮らすトキオは、抜き打ちテストの問題に「外の外に行きたいですか」という文言が一瞬浮き上がるのを目にします。
そのすぐ後、同じ施設に住むミミヒメは動揺するトキオに「外からふたりの人が僕を助けに来てくれるの そのひとりの顔がトキオにそっくりなんだ」という予言じみた発言をしたのです。
この謎の施設と子どもたちの物語とは別に、外の世界でトキオとそっくりの顔をしたマルという少年がキルコという少女と旅をしていました。
舞台は未曾有の大災害から15年が経ち、現代文明は完全に破壊されて生き残った人々はまだ使える施設を利用しながら細々と生活している荒廃した日本。
マルは一緒に旅をしていたミクラという女性から、「天国で同じ顔をした人間を探し、薬を打て」と言われており、自分と同じ顔をした人間を見つけるために天国を目指してボディーガードのキルコと共に旅をしていたのです。
トキオにそっくりなマルとは何者なのか、天国とはどこなのか、なぜ日本は荒廃してしまったのか･･･
『天国大魔境』は、美しい壁に囲まれた施設で暮らす子供たちと、施設とはまったく別の壁の外の世界でサバイバル生活をするマルとキルコのそれぞれの世界を描く冒険譚です。
天国大魔境に似た漫画一覧まとめ
ここでは、私が『天国大魔境』の漫画原作を読んで似た漫画だと思った作品や、調査の結果『天国大魔境』の読者の方が似ていると感じていた作品をまとめていきます。
- AKIRA
- 新世界より
- ドラゴンヘッド
- 7SEEDS
- 惑星クローゼット
- 少女終末旅行
- 約束のネバーランド
上記6作品が、なぜ『天国大魔境』に似てる漫画だと思われるのか、その理由については作品ごとに後述していきます。
「約束のネバーランド」についてはパクリなのでは？との意見も見受けられていますので、こちらは個別で詳細にまとめていきますね。
天国大魔境に似た漫画とその理由
ここからは、『天国大魔境』に似た漫画とその理由について作品ごとに解説していきます！
AKIRA
AKIRA
— ラロンテ (@Lalonte_Ler) March 16, 2023
作 大友克洋
圧倒的な画力
キャラも設定もメカもストーリーも
全てがかっこいい pic.twitter.com/jVOY4lUVH6
『天国大魔境』に似た漫画として、多くの方があげられている作品が「AKIRA」です。
作者：大友克洋（おおともかつひろ）
ジャンル：SF・青年漫画
掲載誌：週刊ヤングマガジン
あらすじ
AKIRAは、原子爆弾による第三次世界大戦後の荒廃した東京「ネオ東京」を舞台にしたサイバーパンク漫画です。
物語は超能力を持つ若者達が起こす暴動と、それを追う政府軍との戦いを描いています。
主人公の少年・金田は、超能力を持つ友人の暴走に巻き込まれ自身も超能力者として目覚め、やがて、金田は超能力を巡る陰謀の中心人物である少年・AKIRAを追うことになるのです。
作中では激しいバトルが繰り広げられ、最後には東京を壊滅させるほどの力を持つAKIRAが現れて物語は壮絶なクライマックスを迎えます。
『天国大魔境』と「AKIRA」が似てる漫画と感じる理由は、文明が崩壊した未来の日本が舞台になっていることと、マルとキルコという男女が廃墟を練り歩くという設定が似ているからかと思います。
実際に『天国大魔境』の作者である石黒正数先生は、インタビューであまりにも好きでハマってパロディマンガまで描いていた作品として「AKIRA」をあげられています。
大友克洋先生の影響を受けて育った石黒正数先生ご自身が崩壊した未来を描いたら、どうしたって「AKIRA」に寄ってしまうとも答えられていて、寄せないように意識して『天国大魔境』の作品を描いているのだそうです。
ですので『天国大魔境』と「AKIRA」似てる漫画だと読者が感じるのは、仕方がないしむしろ正しい感じ方というわけですね。
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新世界より
『天国大魔境』に似た漫画として、次にご紹介する作品が「新世界より」です。
作者：貴志祐介（きしゆうすけ）
ジャンル：サイエンス・ファンタジー
掲載誌：別冊少年マガジン
あらすじ
「新世界より」は、1,000年後の日本を舞台に描いた３部作からなる壮大な物語です。
この世界の人類は「呪力」と呼ばれる超能力を身に着けていました。
注連縄に囲まれた自然豊かな集落「神栖66町」では、人々はバケネズミと呼ばれる生物を使役して平和な生活を送っており、その町に生まれた12歳の少女・渡辺早季は同級生たちと町の外へ出かけて先史文明が遺した図書館の自走型端末「ミノシロモドキ」と出会ったのです。
そこから彼女たちは、1,000年前に文明が崩壊した理由と、現在に至るまでの信じられない過去の歴史を知ってしまうことになります。
禁断の知識を得て、早季たちを取り巻く仮初めの平和は少しずつ歪んでいくのです。
『天国大魔境』と「新世界より」が似てる作品だと感じる理由は、日本が荒廃していて閉鎖的な集落で暮らす子どもたちが主人公として物語が進んでいくところが似ているからではないかと思います。
『天国大魔境』に登場する学園の子どもたちが特殊能力を持つ点と「新世界より」の人間が呪力と呼ばれる超能力を持つ点。
舞台が日本なのに人間を襲う化け物が登場するところなども、似た作品と感じる理由かもしれませんね。
ドラゴンヘッド
『天国大魔境』に似た漫画として、次にご紹介する作品が「ドラゴンヘッド」です。
作者：望月峯太郎（もちづきみねたろう）
ジャンル：サバイバル・ホラー
掲載誌：週刊ヤングマガジン
あらすじ
主人公・青木照（テル）は、修学旅行帰りの車中で突如発生した大地震により乗車していた新幹線が浜松付近のトンネルで脱線事故を起こしてしまいます。
出入り口は崩壊し外界と完全に遮断されたトンネル内で、テル・アコ・ノブオの3人の生存者は救助の可能性に望みをかけて絶望的な状況を生きのびる術を模索することになったのです。
富士山の大噴火という大災害で荒廃した世界を背景に、死と表裏一体の極限状態に追い込まれた少年達の苦悩とそれに伴う狂気と暴力といった人間の本質と究極の恐怖を描いたサバイバルストーリーが描かれています。
『天国大魔境』と「ドラゴンヘッド」が似てる漫画と感じる理由は、少年と少女が荒廃した日本を厳しい条件のもとで生き残りをかけて旅をするところが似ているからではないかと思います。
『天国大魔境』で日本の現代文明が完全に破壊されたのは、未曾有の大災害が原因としか漫画原作8巻まででは明かされていませんので、災害という部分にもしも共通点があるとより似てる要素が増えることになりそうです。
7SEEDS
『天国大魔境』に似た漫画として、次にご紹介する作品が「7SEEDS」です。
作者：田村由美（たむらゆみ）
ジャンル：SF・サバイバル
掲載誌：別冊少女コミック→月刊フラワーズ
あらすじ
「7SEEDS」は、7SEEDSプロジェクトによって選ばれた若者たちが人類が滅んだ世界を舞台に描かれた漫画作品です。
地球に巨大隕石が衝突し人類が全滅してしまうことが予測された世界。
種としての人類を存続すべく全世界は協力した結果、子孫を残すために選ばれた若者を隕石の衝突による被害が回復するまで冷凍睡眠させるという計画「7SEED’」プロジェクトが誕生していたのです。
１チームは若者７名とガイド役の大人１名の８名で構成された四季にちなんだ名称の計５チームが編成され、主人公の岩清水ナツもそのプロジェクトメンバーの一人としてサバイバル生活を送ることとなります。
人類の未来は彼らに託され、どのようなラストを迎えるのでしょうか。
『天国大魔境』と「7SEEDS」が似てる漫画と感じる理由は、荒れ果てた日本でのサバイバル生活と旅という部分が似ていると感じるからかと思います。
「7SEEDS」に登場する少年・少女は、『天国大魔境』の施設で暮らす子どもたちのような特別な存在でもありながら、外の世界を旅するマルとキルコとも似ているのではないでしょうか。
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惑星クローゼット
『天国大魔境』に似た漫画として、次にご紹介する作品が「惑星クローゼット」です。
作者：つばな
ジャンル：SFサバイバル・ホラー
掲載誌：月刊コミックバーズ→デンシバーズ→comicブースト
あらすじ
「惑星クローゼット」は、現実と夢の狭間の世界を舞台に主人公の心理や緊張感を表現して恐怖を感じさせるストーリーが描かれています。
主人公の杉沢愛海（すぎさわ あいみ）は、ある日から怪物に襲われるリアルな夢を頻繁に見るようになったのです。
その夢の中の世界で愛海は、同年代の少女フレアに助けを求められます。
最初は「夢の中の出来事」と思い学校に向かう愛海でしたが、その日を境に眠る度に「間の世界」へと迷い込むことになっていったのです。
『天国大魔境』と「惑星クローゼット」が似てる漫画と感じる理由は、愛海がフレアを助け出し地球へとかえすために奮闘するストーリーが似ていると感じるからかと思います。
『天国大魔境』ではキルコがマルを天国へ連れて行くために奮闘していますので、登場する2人のキャラの性別は異なるものの恐怖を感じる不気味なシーンがある点なども共通しているかもしれません。
少女終末旅行
『天国大魔境』に似た漫画として、次にご紹介する作品が「少女終末旅行」です。
作者：つくみず
ジャンル：SF、ポストアポカリプス
掲載サイト：くらげバンチ
あらすじ
「少女終末旅行」は、荒廃した世界を旅する2人の少女・チトとユーリの物語です。
彼女たちは、半装軌車のケッテンクラートでに乗って廃墟の中を進み、生き残った食料や物資を探しながら旅を続けています。
旅の途中で謎の生命体や過去の文明の遺物など不思議な出来事に遭遇し、彼女たちは旅を通じて人間性や生きる意味を考えるようになっていくのです。
物語は、荒廃した世界での究極的な旅を通じて、チトとユーリが直面するさまざまな問いに対する答えを探す彼女たちの姿を描いています。
『天国大魔境』と「少女終末旅行」が似てる漫画と感じる理由は、2人の主人公が荒廃した世界で生き残った食料や物資を探しながら旅をするという部分が共通しているからかと思います。
「少女終末旅行」の絵はほのぼの系ですが、かわいい2人がレーションを手に入れて分け合って食べるなシーンなどは『天国大魔境』のキルコがマルが食事を仲良く分けて食べ合うシーンにも重なりますね。
天国大魔境は約束のネバーランドのパクリなのか
『天国大魔境』を読んだ方の意見では、似ている作品として「約束のネバーランド」（約ネバ）をあげられている方が多く見受けられます。
中には「『天国大魔境』は「約束のネバーランド」のパクリなのでは？」と感じられている方も少なからずいるのですが、そこまで似ていると感じる理由は何なのでしょうか？
ここからは、『天国大魔境』は約束のネバーランドのパクリなのかについて、似てる漫画だといわれている理由も合わせて考察していきます！
約束のネバーランドのパクリではない！
まずは結論からお伝えすると、『天国大魔境』は「約束のネバーランド」のパクリではありません。
それについては、「このマンガがすごい！」のインタビューで石黒正数先生が答えられている内容からもわかります。
『天国大魔境』が「約束のネバーランド」に似てるということは、作者である石黒正数先生ご自身も感じたのだそうですが、
けっしてマネしたわけじゃないから！
ここだけは声を大にしていっておきたい！
とコメントをされていることからも、決して『天国大魔境』は「約束のネバーランド」のパクリではないことが伝わってきますね。
石黒正数先生が2作品が特に似ているポイントとして、
- 物語の入りのところでテストをしているシーンがある。
- どちらの作品も制服がある。
という2点をあげられていて、そのことを知ってとてもショックを受けたのだそうです。
ただ「約束のネバーランド」の漫画原作かアニメを見たことがある方は、『天国大魔境』を見始めた時に既視感を覚えた方も少なからずいたと思います。
私も初めて『天国大魔境』を見た時、「なんだか「約束のネバーランド」に似てる漫画なのかな？」と感じた人間のひとりです。
でも『天国大魔境』の漫画を読み進めていくと、「約束のネバーランド」とは全く違う作品であることがわかってきます。
どちらかというと、『天国大魔境』の方がSFの要素が強くて謎や伏線も多いので大人向けの漫画作品といった印象です。
では原作漫画の読者目線で『天国大魔境』と「約束のネバーランド」が似てる漫画だと感じるのはどの部分なのかについて、以下で解説していきます。
世界観・設定が似てる漫画
『天国大魔境』と「約束のネバーランド」は、世界観・設定が似てる漫画だと感じる人は多いのではないでしょうか。
まず『天国大魔境』の漫画原作1巻1話で登場する子どもたちと学園は、「約束のネバーランド」グレイス=フィールド（GF）ハウス孤児院とそこに暮らす子どもたちと似た設定です。
またどちらの作品もその子どもたちは平穏で幸せな日常を送りながら、時にはテストを受け何らかの評価をされている様子。
さらに『天国大魔境』と「約束のネバーランド」では子どもたちがそこで暮らしている理由は異なりますが、どちらも同じように壁に囲われた敷地の中で外の世界を知らずに生活しているという世界観は似てる漫画と感じる一番の理由なのではないでしょうか。
様々な能力をもった子どもたちが登場
『天国大魔境』と「約束のネバーランド」は、どちらの子どもたちも様々な能力持っています。
『天国大魔境』では超能力的な能力や人間ではありえないほどの身体能力の高さ、超人的な特殊能力など、全員が異なる能力を持っているのです。
ただ、それは学園内の子どもたちに限定されていて、外の世界で暮らしている普通の人間はごく普通の一般的な能力しかもっていません。
一方「約束のネバーランド」の子どもたちの能力は、高い知能、高い身体能力、豊富な知識など基本的には人間としての優れた高い能力です。
どちらも普通の人間とは持っている能力が違うという点は、似てると感じるかもしれませんね。
閉じ込められた子どもたちが外に興味を持っている
『天国大魔境』と「約束のネバーランド」は、壁の中に閉じ込められた子どもたちが外の世界に興味を持っていきます。
前述した通りどちらの作品も壁の中で平穏で幸せな生活しており、外の世界がどのようになっているのか知ってはいませんでした。
しかし『天国大魔境』ではトキオが抜き打ちテストの際に、問題に「外の外に行きたいですか」という文言が一瞬浮き上がるのを目にしたことをきっかけに、外の世界の存在に興味をもっていきます。
「約束のネバーランド」では、外の世界の里親の元へ行くことになった少女が食肉として出荷される瞬間を目撃したのをきっかけにグレイス=フィールドハウスが人間飼育場であると気づき、外の世界への脱走を計画することになるのです。
どちらの作品も子どもたちが外の世界に興味を持っているという点では共通していますが、そのきっかけや理由は全く違っていますね。
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まとめ
この記事では、『天国大魔境』に似た漫画はとはどの漫画作品なのか、約束のネバーランドのパクリなのかそのようにいわれている理由についても解説してきました。
- 『天国大魔境』に似た漫画としてあげられる作品は6作品。
AKIRA
新世界より
ドラゴンヘッド
7SEEDS
惑星クローゼット
少女終末旅行 - 『天国大魔境』は「約束のネバーランド」のパクリではない。
- 『天国大魔境』の作者である石黒正数先生ご自身がインタビューで、決して「約束のネバーランド」真似はしていないと答えている。
- 2つの作品は似てる漫画と感じる点はあるものの、実際に読んでみると全くストーリーは異なる。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました！
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