『不滅のあなたへ』で最初に登場する人間の少年は、この物語の主人公フシがフシの姿になるにあたり大きな影響を与える重要な人物です。
少年の登場には「球」が姿を変えたコケからさらに変化したレッシオオカミのジョアンとの関係も描かれていますが、少年の登場シーンは以外にも少なく疑問も多く残りましたね。
そこで今回は、『不滅のあなたへ』に最初に登場する少年の名前や死因は何だったのか、オオカミのジョアンとの関係についてもまとめていきます!
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『不滅のあなたへ』の少年とは?
『不滅のあなたへ』の少年は、物語の最初に登場する人間です。
ここからは、少年とオオカミのジョアンとの関係や少年が生きる目的についてまとめていきます。
少年とオオカミのジョアンとの関係
この少年はオオカミのことを「ジョアン」と呼び、少年の様子から少年はジョアンの飼い主である事がわかります。
ジョアンはレッシオオカミというオオカミで少年と暮らしていましたが、ある時雪が降り始めた北の地で倒れて力尽きました。
その力尽きたオオカミから刺激を受けた「球」が姿を変えたコケは、コケからオオカミのジョアンの姿へと変化したのです。
「球」からオオカミの姿になった「それ」は、オオカミになることで意識を獲得しました。
オオカミの姿となりあてもなくさまよった後、たどり着いたのが少年の家だったのです。
少年はオオカミを「ジョアン」と呼びとても驚いた表情を見せジョアンを抱きしめますが、それは2ヵ月も家に帰ってこなかったジョアンをとても心配していたからでした。
このジョアンは「球」がジョアンに姿を変えたものですが、少年はそれを知らないため、いつもより大人しいと思いながらも家の中へ入れてくれます。
少年は返事をするわけでもないジョアンに会話をするように話しかけ、食事を作り与え、一緒に眠り、出かけるときも一緒で、少年とジョアンはまるで家族のような関係です。
実は少年の暮らす場所には少年以外の人間は誰もおらず、ジョアンは少年の唯一の心の支えになっていました。
このオオカミは『不滅のあなたへ』の中でレッシオオカミといっていますが、これはこの物語中のみに存在する空想上の生き物ではないかと考えられます。
『不滅のあなたへ』の少年が生きる目的
少年が生きる目的は、楽園のような場所を目指し旅立った村人達と再開することでした。
少年が暮らす場所は雪に包まれた過酷な環境にある村なため、たくさんの人や食べ物がある楽園のような場所が存在すると信じた村人達は、5年前に南の山の先にある楽園を目指し旅立ったのです。
少年は村に残され、同じく残されたおばあさん達の面倒を見ていたようでした。
しかし少年の周囲におばあさん達の存在はなく、お墓らしきものを眺めながら「僕が助けてあげられなかったおばあさん達ー」と言っていることから、何らかの理由で少年と共に村に残されていたおばあさん達は亡くなってしまった事がわかります。
村に一人残されてしまった少年はジョアンの前では明るく振る舞いながらも、心の中では孤独を感じていたことでしょう。
5年前に旅立った村人達が帰ってこず待ちきれなくなった少年は、世界を知りたいという夢を叶えるために楽園に向かい旅立つことを決意します。
楽園に向かい旅立つ少年ですが、もちろんその旅にはジョアンも一緒です。
『不滅のあなたへ』の少年の名前は?
主人公フシにとって大きな影響を与える少年ですが、少年の名前は最後まで明らかにされません。
少年の登場シーンでは少年以外の人間は登場しないため、誰かが少年の名前を呼ぶことも少年が誰かに対して自己紹介をするシーンもありませんでした。
誰かに名前を呼ばれることも、自己紹介をすることもなかった少年は本当に孤独だったことでしょう。
本当は誰かに自分の名前を教えたり呼んでもらいたかったかもしれませんね。
少年が登場する最後のシーンでは少年が夢見ていた空想の世界が描かれていて、そこではジョアンや村人達との再開を果たします。
「よかった、もうひとりじゃないー」と笑顔を見せる少年は、楽園だと思われる場所で出会った人々にあいさつと自己紹介をしました。
しかしそこでの少年の言葉は「僕の名前はー」で終わっていて、最後まで少年の名前は明らかにされません。
孤独だった少年が空想の世界で自己紹介をしたことで、少年がどれだけ人との出会いを夢見ていたのかと考えると涙が出そうになってしまいますね。
『不滅のあなたへ』の少年の死因を考察!
少年は楽園に向かい旅立ち、その後も前向きに旅を続けていて少年とジョアンの旅は順調だと思われました。
しかし、視線の先にあったものに気を取られた少年は氷の割れ目にある川に落ちてしまいます。
川に落ちた時に少年は足に傷を負い、この傷が後に少年の命を奪うこととなるのです。
少年はその傷をただの擦り傷と言い旅を続けますが、治る気配はなくむしろ悪化しているようにさえ見えます。
それでも少年は、先に旅立った村人達が残したと思われる目印を頼りに旅を続けていました。
そしてあるところで人がいた痕跡を見つけますが村人達の姿はなく、ここが村人達の最後の地だということに気づきます。
この時には足の傷はかなり悪化していたと思われますが、少年は楽園にたどり着き村人と再会したい一心でどうにか旅を続けていたのでしょう。
楽園もなく村人達とも再開できなかった少年は、元いた村の自分の家へ帰ることを決めます。
どうにか家へたどり着いた少年は、足の傷は悪化しどんどん弱って立つこともできなくなりました。
呼吸も乱れ明らかに少年に死が迫っていることを感じさせますが、それでも少年は最後まで村人達が帰ってくることを願い、ベッドで寝ていたらみっともないからとイスに腰をおろします。
少年は最後にジョアンに向け「僕のこと・・・ずっと覚えていて」と言葉を残して亡くなってしまいました。
少年が亡くなることとなった原因が足の傷であることは明らかで、体を動かすことができなくなったことや呼吸に乱れがあったことから、死因は破傷風ではないかと考えられます。
誰もいない村で一人で暮らしていた少年には、傷を負ってもその傷を治すための治療薬もなく、最後はその傷が少年を死に至らしめることとなってしまいました。
まとめ
『不滅のあなたへ』の少年について名前や死因についてまとめましたが、少年を知ることで少年にとってオオカミのジョアンがどれだけ大切な存在だったのかを知ることとなりました。
また、この少年からたくさんの刺激を受けフシとなった「球」の今後の成長も楽しみですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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