主人公フシがヤノメ人のハヤセにマーチとパロナと共にヤノメ国へ連行された際に、一緒に連行される馬車に乗っていたため知り合ったのが、老婆のピオランです。
ピオランは長い時間フシに寄り添っていた『不滅のあなたへ』ではヒロイン的存在で、フシの成長に大きな影響を与えた人物でもあります。
そこで今回は、『不滅のあなたへ』のピオランは死亡後どうなったのか、生まれ変わり馬になった理由についてもまとめていきます!
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『不滅のあなたへ』のピオランとは?
ピオランは罪人の老婆で、心優しく寛大なピオランはフシの成長に大きな影響を与えた人物です。
ここからは、老婆でありながらヒロイン的存在のピオランについて、詳しくまとめていきます!
ピオランは祈祷師の老婆で罪人?
ピオランはヤノメ人に囚われていた罪人で90歳近い老婆でした。
しかしピオランは最初、ニナンナでオニグマへの生贄の儀式に捧げる生贄を選出する役を担った祈祷師の老婆として登場します。
オニグマへの生贄の儀式を取り仕切っていたヤノメ人達は、罪人であるピオランというエセ祈祷師を使ってまで残酷な儀式をしていたのです。
しかしそれを知らないニナンナの人々は、エセ祈祷師のピオランによって生贄に選ばれたマーチを送り出しますが、フシとパロナの助けによって儀式は失敗に終わりました。
その後フシとマーチ、パロナの3人はオニグマへの生贄の儀式を取り仕切っていたヤノメ人のハヤセによって、祈祷師役だったピオランと共にヤノメ国へと連行されてしまいます。
フシ達はヤノメ国へと連行される荷車の中で、ピオランが両足に繋がれた鎖を見せて自分が罪人であることを暴露したことで、ピオランは本来は罪人で偽物の祈祷師だったことを知ったのでした。
ピオランとフシの旅の始まり
ヤノメ国では監獄に入れられた一行でしたが、脱出後フシとパロナは故郷であるニナンナへ向かい、フシはニナンナでパロナと別れた後に歩き続けているとピオランと再会しました。
ピオランはフシが姿を変えても少し驚くだけで、すぐにフシを受け入れた様子です。
会話をすることができないフシに一生懸命に話しかけるピオランですがフシの返事はなく、お腹が空いたピオランは「もも肉ぅ!」と言いながらフシの太ももにかじりつきました。
オオカミの姿に変化しスルっとピオランをかわしたフシは威嚇しますが、ピオランは懲りずに再びフシに襲いかかります。
これがピオランとフシの旅の始まりとなったのです。
ピオランはフシに人間としての生き方を教える
少しずつ意思の疎通ができるようになってきたピオランとフシは道の途中で立て札に書かれていた地図を見つけます。
その地図を紙に写すピオランを見て、フシは「書く」ということに興味を持ったようです。
文字の書き方を教えるピオランは、「もっと知りたいか?ならばワシについてこい、言葉、文字、人間としての生き方をワシが教えてやろう」とフシに言います。
その言葉の通りにピオランがフシに知識を教えたことが、フシがものの名前や言葉を覚えていくきっかけになりました。
ピオランと旅を続ける中でフシは喋れるまでの知識を身につけ、ピオランと共に出会う人々からも影響を受けて人間のように成長していきます。
ピオランの恋人は酒爺(さかじい)
ピオランとフシが訪れたタクナハには、ピオランの恋人の酒爺がいました。
酒爺は変人と呼ばれている老人で、酒の研究に没頭し犯罪に近い行為にまで及んでいる人物です。
酒爺の経営する店舗兼自宅には住み込みで働く少年のグーグーがいて、グーグーはフシと意気投合しフシのことを弟のような感情を抱き、仕事や生活する術の他にも目に見えないものまで教えてくれます。
ピオランとフシはこの酒爺のもとで4年間共に暮らしました。
ピオランにとって忘れられることは2度目の死
タクナハでフシの敵であるノッカーの襲撃を受けグーグーを失ったフシは、ノッカーはフシを狙って来るため自分のせいで誰かが死ぬのは嫌だからと1人でタクナハを出ていきました。
最初は酒爺と共にフシを見送ったピオランでしたが、ピオランはフシを追いかけてロバに乗って再登場します。
ピオランは老い先短い人生に意味を持たせるために、一寸でもいいからフシを支える棒きれになろうと思い、フシについて行くことを決めたのでした。
フシはピオランが自分に付いてくることに反対し反抗的な態度を取りますが、それでもピオランはフシに世話を焼き、そんなピオランにフシは「死なないで」と1つの約束を提案します。
ピオランはフシに本当の意味の死とは、その人物の記憶をも忘れられてしまう2度目の死のことだと話し、今まで出会った大切な人の記憶をノッカーに奪われたくないフシは強くなることを決めました。
ピオランはフシにとって尊い存在
旅を続けるピオランとフシは、手違いでジャナンダ島へと連れて行かれたものの先にピオランは先に脱出し、ゼダンの港でフシが来るのを待っていました。
ピオランを随分と待たせたフシが遅れてゼダンの港に着くと、たった5粒の豆を食べていたのです。
ノッカーを引き寄せてしまう自分は誰も幸せにできないと考えていたフシは、すぐにピオランに声をかけられずにいます。
ピオランには会わずに船で旅立とうとするフシでしたが、自分がいなくてもピオランならうまくやっていけるだろうと思いながらも、ピオランのことが心配で心配で何度もこっそりピオランのもとへ行っては果物を置いたり手紙を書いたりしていました。
そんな中フシは隠れて見ていたピオランがずっと笑っていないことに気づき、ピオランを心配したりピオランと離れることをさみしく感じている自分に気がつきます。
最後にミアという少女の姿で寝ているピオランのもとに毛布を持っていったフシは、ピオランに見つかってしまいました。
見たこともない少女の姿になっているフシを見て、すぐにフシだと気づいたピオランは「フシッ!」と声をかけフシを抱きしめました。
それからピオランとフシはまた一緒に旅を始め、サールナイン密林で生活をする中でたくさんの会話をし、自分の人生について「満足な人生じゃったよ」と笑顔で語るピオランに対しフシは尊い何かを感じたようです。
ピオランは認知症になってしまう
ロバに乗って旅を続けていたピオランは、しっかりつかまることができなくなり度々ロバから落ちるようになっていきました。
心配するフシに対してピオランは暴言を吐いたり、朝に芋を食べたことを忘れてしまったりと明らかに様子がおかしいです。
ロバに乗っても落ちてしまうのでフシがおんぶしていると暴れたり、夜中に徘徊したり徐々に変化していくピオランがなぜこの様になってしまったのかをフシにはわからないようでした。
優しかったピオランがこのように変わってしまったのは、年齢が90歳近いこともあり認知症のような症状を発症したことが原因だと思われます。
『不滅のあなたへ』のピオランは死亡する!
旅を続けて1カ月が経ち、徐々に認知症のような症状を発症したピオランを笑顔で世話するフシに、ある日ピオランはフシと出会えて幸せだったことを伝えます。
干している芋と魚を取り込むようフシに言ったピオランは、フシがその場を離れた後に見えない存在である観察者に、フシのいない今のうちに自分を連れて行くよう命令します。
「連れて行く」とは、ピオランの死を意味していました。
観察者はたとえ生まれ変わっても、ピオランの魂はピオランの肉体があって初めてピオランという「個」であるため、肉体が変わればピオランはピオランではなくなってしまうと話します。
それでも良いと返事をしたピオランは、観察者によって老衰というかたちで死を迎えました。
戻ってきたフシはピオランの死に絶望しますが、ピオランとした会話を思い出し最後は「ありがとうピオラン」と感謝の言葉を言ったのです。
『不滅のあなたへ』のピオランは死亡後どうなったのか?
『不滅のあなたへ』の世界では、死亡するとその魂(ファイ)はこちらの世界にとどまるか、楽園という別の世界に行くかのどちらかに別れ、自分の意志によって自らのやりたいことをやり行きたい所へ行くことができます。
例えば、死後もフシの近くにいるマーチやグーグーは自分の意思でこちらの世界にとどまっている魂だといえますね。
はたしてピオランは死亡後にどうなったのか、生まれ変わりの姿やその理由をまとめていきます!
ピオランは生まれ変わり馬になった!
ピオランは死亡した後、生前フシと話していた若返りたいという望みを死後の世界で果たします。
ピオランが若かった頃は美しくよくモテたと話していただけあって、若いピオランはとてもかわいい少女の姿をしていました。
楽園にとらわれる前に観察者が迎えに行くと言っていた通り、かわいい少女の姿となったピオランの魂のもとへすぐに観察者が迎えに来てピオランに「球」を渡すとピオランはもとの老婆の姿へと戻り、その後ピオランが登場することはありませんでした。
ピオランとの別れから40年後、フシがウラリス王国のボン王子と出会い行動をともにすることになると、ボン王子はフシに馬をプレゼントしようと妹のポコアに馬小屋を案内させ、そこでフシに噛み付いてきた馬が生まれ変わったピオランだったのです。
馬に生まれ変わったピオランが噛み付いたのはフシの太ももで、これは生前お腹が空いたピオランがフシの太ももを噛み付いたのと共通しているため、ピオランのフシに対するアピールだったと思われます。
ピオランが生まれ変わった馬はとても美しい馬で、顔のピオランと同じ位置にアザのようなものがあることからピオランの生まれ変わりであることがわかりました。
しかしフシはピオランが生まれ変わった馬と出会った時点では、この馬がピオランの生まれ変わりであることに気づいていないため、今後フシがピオランだと知るのはいつになるのかが気になりますね。
ピオランが生まれ変わり馬になった理由は?
ピオランの死は老衰だったと考えられますが、ピオランが観察者に自分を連れて行くよう命令したこともピオラン死亡の原因だといえます。
死ぬ直前にピオランは「できるなら今度はもっとフシの役に立つモノへと生まれ変わらせてくれ」とも観察者に言ったのです。
生まれ変わっても肉体が変わればピオランはピオランではなくなってしまうことを承諾したピオランは、観察者に目を閉じてなりたいものを想像するように言われました。
きっとこの時にピオランが想像したなりたいものが馬だったため、ピオランは生まれ変わり馬になったのだと考えられます。
ピオランが生まれ変わり馬になった理由は、フシがピオランの死後にひとりぼっちになっても今度はフシを乗せて一緒に旅をすることができると思ったからではないでしょうか。
生まれ変わり馬になったピオランは美しい馬になり、ウラリス王国のボン王子とフシが旅をする際の足として活躍することになりました。
まとめ
『不滅のあなたへ』のヒロインピオランについてまとめてきましたが、老衰で死亡するというフシにとっては悲しい最後を迎えたものの、ピオランの願いの通りフシの役に立つモノへと生まれ変わったのには感動しました。
今後、生まれ変わり馬になったピオランがフシとの旅でどのように活躍するのかにも注目したいですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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